デイサービスの回数を増やし、ショートステイを利用し始めてから、私の生活は少しずつ変わり始めた。朝のバタバタは相変わらずだが、母がデイサービスに行っている間に、自分のための時間を持てるようになったのが大きい。
以前は、仕事中も頭の片隅に母のことがあり、電話が鳴るたびに緊張していた。それが今では、「母がデイサービスで安全に過ごしている」という安心感を得られるようになり、少しずつ心が軽くなった。さらに、ショートステイの導入によって、週末にほんの少しでも自分の時間を確保できるようになったことが、心と体の余裕を取り戻すきっかけとなった。
日常に生まれた変化
デイサービスやショートステイのおかげで、私は久しぶりに友人とランチに行く時間を作ることができた。特に嬉しかったのは、友人と気軽に笑い合える時間を持てたことだ。以前は介護に追われ、「自分の生活を楽しむなんて贅沢」と感じていたが、その考え方が少しずつ変わり始めている。
また、仕事帰りにほんの少し寄り道をする余裕が生まれたのも大きな変化だ。お気に入りのカフェで買ったコーヒーを片手に、夜風に当たりながら帰る。そんな小さな時間でも、「自分も大切にしていい」と思えるようになった。
ストレスケアを取り入れる
介護の日々で心が疲れてしまうことは避けられない。だからこそ、少しでもリフレッシュできる方法を試してみることにした。その中で特に効果を感じたのが、アロマテラピーとヨガだ。
1. アロマテラピー
ある日、友人からもらったアロマオイルを使ってみたのがきっかけだった。ラベンダーの香りを寝室に漂わせると、いつも以上にぐっすり眠れることに気づいた。それからは、夜のルーティンにアロマを取り入れるようになった。
- ラベンダー:緊張を和らげ、リラックスした気分で眠れる。
- オレンジやベルガモット:朝、気持ちを切り替えたいときに使うと爽やかな気分になる。
- ペパーミント:頭が疲れているときに、集中力を取り戻すのに効果的。
アロマの香りを感じる瞬間、自分の心が少しずつほどけていくのを感じる。母が眠りについた後、キャンドルウォーマーでアロマオイルを温めながら静かに過ごす時間が、私にとって一日の締めくくりになっている。
2. ヨガ
もう一つ始めたのがヨガだ。最初は体を動かす気力さえなかったが、動画を見ながら簡単なポーズを真似ることから始めた。特に寝る前の軽いストレッチを取り入れると、翌朝の体の軽さが全く違う。
- 深呼吸を意識しながら行うと、心の中のモヤモヤが少しずつ消えていくのがわかる。
- 猫のポーズや子供のポーズなど、リラックスを目的とした簡単な動きだけでも十分効果を感じた。
- ヨガマット一枚あればできるので、忙しい日々でも取り入れやすい。
ヨガを続けるうちに、体がほぐれるだけでなく、心が少し穏やかになるのを実感するようになった。「自分の呼吸に集中する時間」は、介護の合間に忘れてしまいがちな自分を取り戻す貴重なひとときだ。
小さな変化が生む大きな力
アロマやヨガといったストレスケアを取り入れることで、自分を取り戻す時間が少しずつ増えてきた。そしてそれが、介護や仕事に向き合うための力にもなっている。
母がデイサービスから帰ってきたとき、「今日は楽しかったよ」と笑顔を見せてくれる瞬間が、私にとって最高のご褒美だ。その一方で、自分自身を癒す時間も、同じくらい大切だということに気づいた。
介護は依然として負担が大きい。でも、小さな楽しみやリフレッシュの方法を見つけたことで、私は少しずつ前を向いて進んでいけるようになった。この生活の中で、自分も母も大切にする方法を、これからも探し続けていこうと思う。